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「私、入部した覚えなんて!」
そう訴えた声が、キンと体育館に響いた。
驚いて隣を見てみると、知らぬ間にやって来たらしい進行役の一人が、私にマイクを当てている。
「何言ってんの。入部届なら今朝ちゃんと書いてもらったよ」
そう言った先輩はポケットを漁り、紙きれらしき物を取り出した。
ま、まさか。
「ほら、竹内 乃季って直筆の入部届」
距離があるので何て書いてあるかまでは分からないが、先輩とそのサイズの紙のセットには、確かに覚えがあった。
「まさか、名前書かせたのって……」
「竹内 乃季。君は虹色研究部に入る運命だ!! そして俺に目を付けられたイコール、他の部に入る事は出来ないぞ!」
先輩はまたも声高らかに笑いながら、恐ろしい事を宣言した。
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