ようこそ虹色研究部へ

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彼は壇上から、突き刺すような視線を私に向けている。 先程、國枝先輩と一緒にカッコイイと騒がれていた人だ。 何年生かと思い、その胸元をみるけれど、学校指定のはずのネクタイは見当たらない。 「あの人、乃季のことめっちゃ見てない?」 「う、うん……」 彼は暫く私を睨み付けると、やがて「フンッ!」とでも言いたげな様子で、大袈裟にそっぽを向く。そして他の部員に続いて、振り返ることなく体育館を出て行ってしまった。 ……一体、何だったんだろう。
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