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「乃季ー!!!」
突然背中に当てられた大声に、廊下に居た生徒たちは一様に肩を跳ねさせた。
「……こ、この声」
恐る恐る振り返ると、そこにはいやらしいほどの満天の笑みを浮かべた國枝先輩が、こちらに向かって走ってくる。
「どうしようトミー、助けて!」
「付きまとわれても厄介だし、とりあえず話してみたら? 私も一緒にいてあげるから」
トミーが女神のように輝いて見えた。私は「トミー!」とその腕にすがりつく。
「乃季! 何帰ろうとしてるんだよ。部室行くぞ。皆に紹介するから」
私たちの前に仁王立ちする國枝先輩は、笑みを浮かべながら平然と言う。あくまでも私が入部したがってると思っているらしい。
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