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「ねぇ。君、名前何ていうの?」
夢と希望に胸を膨らませていると、不意に背中から声を掛けられる。
「私ですか?」
ゆっくりと振り返ると、私と同じ制服に身を包んだ男子生徒が立っていた。
すらっとした長身で、長めの栗色の髪を片方耳に掛けた彼は、思わず見惚れてしまうほど端正な顔立ちをしていた。
姿勢良く真っ直ぐに立つ姿が、またとても美しい。
登校中の生徒が周りにも沢山居るけど、怪しいほどにニッコリと笑う綺麗なアーモンド型の目は、確かに私を見つめていた。
「そう、君だよ。少しだけいいかな?」
「……えっと、あの」
不審な彼の情報を少しでも集めようとした私は、頭の上から順番に視線を流す。
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