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私は初めて、驚きのあまり自分の身体が言うことを効かなくなる、という現象を体感した。
そして同じく、場の空気が凍るとはこういうことを言うのだと知る。
横目でチラッとトミーを見てみれば、不愉快を通り越し、鬼の形相をしていた。
「あぁ、気持ちよかった。ごめんよ親友A、本当は君も入れてあげたいけど、残念ながら俺のシックスセンスは君には無反応だったんだ」
「……はぁ?」
トミーは眉間にシワを寄せ、拳をプルプルと震わせる。今にも爆発してしまいそうだ。
「トミー! 落ち着いて!」
「あぁ、ごめん乃季。あまりにも不快で人間やめそうだったよ……」
トミーは眉間のシワを指で押さえると、深く長いため息をつく。
しかし怒りの矛先である彼は、少しも気にしていない様子の笑顔で、私の腕をガッと掴む。
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