ようこそ虹色研究部へ

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よく見るとあの木、作り物? 木々が開けて出来た道の先に、他の部室よりもひと回り大きなプレハブ小屋が姿を現した。 「アレがニジケンの部室だよ。さぁ行こうか! 皆待ってるよ」 頭が全くついて行かない。 今のは何? あのボタンは何? 頭の中を整理出来ないままに、無邪気に笑う國枝先輩にまた腕を引かれて、引きずられるようにプレハブ小屋へと向かった。 「皆ー! 乃季を連れて来たよー!」 勢い良く扉を開けて中に入った國枝先輩。 私は恐る恐る視線を上げる。 すると中央には大きな木製のテーブルと、それに似合わないパイプ椅子が数脚、そしてカラフルなパッチワーク柄の大きなソファが目に入った。 壁にはたくさんの写真が無造作に貼り付けられている。 テーブルを取り囲む様に座っているのは、体育館で見た他の部員たちだ。 すぐ目の前には、体育館で私を睨み付けてきた男子生徒が座っている。 彼はあの時と同じ様に、私を鋭く睨み付けていた。
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