ようこそ虹色研究部へ

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「蘭は怒ると怖いから気を付けてねー」 奥から聞こえた声を辿ると、机に頬杖を付いた女子生徒が私を見つめている。 「うるせぇんだよクソ女」 「ちょっと蘭。次クソって言ったら外のコンクリートに埋めるわよ!」 「蘭! 紀香! 喧嘩しない。乃季が驚いてるだろ。 蘭と喧嘩してるのがニジケンの紅一点、三年生の和田 紀香(わだ のりか)。 俺と蘭と紀香は小学校から一緒なんだ」 紹介を受けた彼女は、ガタン、とパイプ椅子から立ち上がった。 「乃季ちゃーん! 女の子が入部してくれて嬉しいわ! むっさい男ばっかりで退屈だったのよ」 「お前女だったのか? あー驚いた」 「蘭! 埋めてやる! 来なさい!」 蘭先輩の首を後ろから腕で締めにかかる和田先輩。 「あの二人はいつもあんな感じなんだ。本当は仲良しなんだよー」 「「誰と誰が仲良いって!?」」 見事にハモった。
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