ようこそ虹色研究部へ

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一年生がぎゅうぎゅうに詰められた体育館は、興奮した生徒達の熱気で賑わっていた。 進行役の男子生徒が二人、壇上に登場する。 揺れるネクタイの色は青。彼等は三年生のようだ。 この学校では学年別にネクタイが色分けされている。私達一年生は赤、二年生は緑だ。 彼等の登場で、体育館の空気は途端にぎゅっと引き締まった。 しかし、野球部、バスケ部、サッカー部など、メジャーな部活動の登場すると、体育館はまたすぐに熱気を取り戻す。 次々と披露される派手なパフォーマンスに、新入生からは割れんばかりの拍手が起こった。 「乃季! さっきのサッカー部のリフティングシュート凄かったねー!」 「そうだね」 興奮した様子のトミーは、うさぎのように飛び跳ねる。 爽やかなサッカー部のキャプテンの登場で、女子生徒の盛り上がりはピークに達していた。 サッカー部のマネージャーはすごい倍率になりそうだな。 その後も、ホッケー部から手芸部まで、ありとあらゆるジャンルの部活が登場し、私もトミーも、食い入る様に壇上を見つめていた。
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