第1章

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俺は勇気を持って声を掛けることにした。 もちろん俺のタイプだったこともある。 だが、それだけでは無い。 どこか引き寄せられるような 運命的なものを感じたのである。 「すみません、いま何をしてますか?良かったら少し話しませんか?」 雪枝は少しこちらに顔を向けた。 そして軽く微笑むとコクと頷いた。 少し先の喫茶店に入った。 間をつなぐように色々と質問をしたが、緊張しているのか本来のものなのか雪枝はただ微笑むように笑っているだけでほとんど喋らなかった。 今の若い女性には珍しいおしとやかなタイプだなと思った。 結局、その日はお互いの連絡先を交換して別れた。 雪枝は小さくバイバイと白くすきとおる手を振ると人混みのなかに消えていった。
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