第1章

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最後のデートの日、雪枝は 初めて渋谷で会った時と同じ白い純白のワンピースを着て現れた。 とても美しかった。 花嫁のウエディングドレスのようにも見えたし、 恐ろしくも、死装束のようにも見えた。 映画を見て、食事をし、夜の街をドライブした。夜景が綺麗だった。静寂を切り裂くように後ろからすごい爆音と共に黒いヤン車が現れ、素早く俺の車の前にまわりこんだ。 車を無理やり止めさせられ、引きずり出される。 武器を持った不良どもにはあまりにも無力だった。 顔をボコボコに殴られ、腹をけられた。 口の中を嫌な血の味が支配した。 薄れていく意識の中で雪枝の無事だけを祈った。
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