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ーカップル狩り
後で警官にそう聞いた。
このところ、立て続けにこの周辺の山道では被害にあっているという。
卑劣な手口で、男はリンチされ金を奪われる。
綺麗な女性を連れている時ほど
ヤンキー達の残虐性は増し、女は強姦されることもあるという。
「雪枝はどうなったんですか?
無事だったんですか?」
雪枝の姿が、見えないことが一層の不安を募らせる。
警官が、不可解そうに答えた。
「君、何を言ってるんだ。あの場にいたのは君一人だろう」
「女性の声で110番があったから駆けつけたけど、いくら聞いても
名前を名乗らないんだ。
居場所だけ言うとあとは、《恩返し》って聞こえてプツッと切れたんだ。
至急サイレンを鳴らして現場に着いたら、不良どもが胸や顔を赤く腫らして痛がって伸びていたよ。
まるで、くちばしにでもついばまれたようにね。あと何故か白い純白の羽根が無数に散らばっていたな。
鶴でも出たのか?」
警官は愉快そうに笑った。
雪枝‥.... お前はいったい。
あれから、雪枝とは一切連絡が取れなくなってしまった。
だが、雪枝との記憶はいつまでも純白の雪のように輝いている。
あの時、現場から拾って持ち帰った羽根は
不思議と何年経っても
色褪せない。生き生きと美しく、純白の心で
いつまでも俺を
見守り続けている。
完
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