第1章

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『言葉屋』 言巫美 27歳 ♀ 客の言葉を聞いて浮かんだ言葉を紙に書いて売っている。最も責任を持ってはいけない職業である『言葉屋』で、冷めた性格。だが、時折もの悲しげな目で遠くを見つめて溜め息をつく。 髪は紫色で腰まで延びている。仕事をするときは顔を占い師の使う奴で隠してる。 売った言葉が人を殺すこともあれば、人を救うこともあるということも知っているが、売った言葉によって客に文句を言われた時は言論の自由を主張して煙にまく。 『言葉屋』が売る言葉を『売り言葉』といい。犯罪組織の計画でも、恋人の本音でも20文字以内なら売ってもらうことができる。もしくはその言葉によって目的を知ることが結果としてできるようになっている。 「蝶が羽ばたけば竜巻がおこるのですもの、言葉が何を起こしても不思議じゃないわ。」 「思い出ではなく、言葉として持っておきなさい、思い出はあまりに儚いわ。」 「誰にも伝わらない言葉なんてただの文字列よ。貴方が使うような頑張ったなんて言葉を『言葉屋』が使うわけないでしょ。」 「ただの言葉よ。名言も罵詈雑言も。言葉によって動かされるのは人なの。何時だってね。」
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