プロローグ

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   夏の日、建物の外でセミがうるさく鳴いていた。 「嫌だ!」  泣きじゃくる僕。 「しょうがないんだよ」 「今度引っ越すとこじゃ飼えないの」 「……っ」  母さんの一言で、僕は返す言葉をなくした。  彼は友達だった。  初めてあの場所で会った時から。  そうだ、しょうがないんだ。  
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