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男なんか信じてなかった…
この店を始めて、あの人と出逢うまでは…
ここは駅通りから少し入った閑静な住宅街の一角に佇む一軒家。
それを改装して隠れ家的な和欧創作料理が楽しめるBAR〝violon〟を営み既に5年…
あの時、私は30代後半…そして彼は20代前半だった。
そっか、もう5年も経つんだ。
あの日、彼…渋谷 徹は私に事情聴取したんだ。
「まず、名前から教えて下さい。」
「…三浦…三浦 裕美。」
「嫌かも知れませんが、これまでの経緯を話してくれませんか? …あ、俺、渋谷って言います。」
すごく澄んだ綺麗な瞳だった…
この人なら、私のことを助けてくれると思った…
そんな昔のことを思い出していると…
来客を知らすドアベルが鳴った。
自分で言うのも何だけど、クチコミで綺麗な女性オーナーがもてなす癒しの空間が日常の疲れを癒してくれるとのことで人気が出たの。
「いらっしゃいませ♪ 久し振りね、棚田くん、高橋くん」と私は声をかけた。
「ご無沙汰!相変わらず綺麗だね。ひろみさん」
と、ハタチくらいのクールな感じの棚田さんが褒めちぎり、
「今日は、高橋をいじめるため来たんだ」
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