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「はぁ・・・。勝手に騒いでろ低能共。」
祈,ただ一人しかいないオフィスにこだまする溜息が虚しさを煽る。
そんな中,愚痴を零すと更に虚しさが増して行く。
嫌な事は考えるのやめて,早く帰ろうと仕事を終わらせようと黙々と作業を進めて行けば,またあの声がする。
「目覚めろ・・・。そして地球を救ってくれ。」
「あのー,居眠りはお家でした方がいいですよ?今日も残業ですか?」
その声で目が覚めた祈は残業中に疲れで眠ってしまった様であった。
声を掛けて起こしてくれたのは,いつも優しく話しかけてくれる警備員の女の子。
「あ,ありがとう。いつまで俺が居たら君も帰れないし,あとは家で仕事するよ。」
「そんな気を使わなくても・・・。」
書類をかばんに詰め込むと,名前も分からない彼女の声は祈には聞こえていなかったのか,祈は慌てて会社から出て行った。
「何度も見るあの夢・・・。疲れてんのかな。」
ぶつくさ独り言を呟きながら一人暮らしの古いアパートの自室まで着くと,ベットに倒れる様にして眠ってしまう。
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