1人が本棚に入れています
本棚に追加
・・・$消失ゲゑム$・・・
心臓が割れそうに痛い。
肺はその表皮を割って空気を零しそうなほどの痛みを伴い、気管は既に乾燥しきった。
膝から先は感覚を失って立ち止まると震えて止まらない。
太ももだって限界を感じている。
今、自分がいるのはどこだろう?
周りを見麻渡すと、奇怪なものを見るような目がいくつも私を指していた。
青
赤
緑
黒に、
濁りひとつない白。
人はいろんな色を纏うが、そのうちに隠れた心の色は決して目に映ることのない虹色だ。
足音が耳障り。
気が狂いそうになるのを肌に感じながら、力を振り絞って一歩を踏み出す。
私はここから、逃げ出すんだ。
だとえ、私がこの世界から消失されてしまうのだとしても――――
最初のコメントを投稿しよう!