第1章

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段々と自分の命が削られていくのを感じながら、それでも無理をして女の子に会いにいく男の子。そのうち互いに惹かれ合う。 だがそれは長くは続かず、寝たきりの状態が一週間以上続き、女の子は嫌な予感がして、初めて男の子の家に向かった。 女の子は自分が周りから見てどんなに異質な存在かをよく理解してたため正面玄関から行っても男の子の家族が会わせてもらえないことを知ってた。 誰もいないのを確認し、窓から入る。その隣が男の子の部屋。 隣の部屋から咳き込む音が聞こえ、そこを見てみると男の子が血を吐いているのが見えて固まる。 今まで無理してたのかと悔やむ女の子。これ以上無理をさせたくはないと別れを告げる置き手紙をドアに挟み、その場を去ろうとするも男の子の家族にばったり会ってしまう。 罵倒され、ヒステリックに叫ばれ、自分がこの世界でどれほど醜い種族かを思い知った女の子は、苦しい気持ちを圧し殺して男の子と会わないことを決意。外は雪が降り始めていた。 その後体調が安定してきた男の子に家族はうっかり女の子のことを漏らしてしまう。そんな子忘れなさいと言い聞かせたあとご飯を作りにいく。 ドアが開いたとき、その付近で折り畳まれた紙が床に落ちてることに気づいた男の子はそれを拾い上げる。 女の子の別れの言葉が記されたそれを呆然と眺め、やがて正気に戻った男の子は自身の体調面のことなど頭から抜けて家を飛び出した。 がむしゃらに走って辿り着いたのはいつも会っていた場所。だがそこに女の子の姿は見当たらない。 男の子は近所の情報を頼りに女の子の家に行く。だが雪が降り積もった外でパジャマという薄着の格好の男の子は当然体調が悪化し、女の子の家に着く前に力尽きてしまう。
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