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「藤野さんさ、もしかしてまだどこに入るか決めかねてる?」
「はい……」
「ならさ、今度静岡の方にある小さい貸別荘みたいなとこに泊まるんだけど、藤野さんも来たら?やっぱり雰囲気とか分かんないと入部決めらんないだろうし。ね、二人ともいいよね?」
しゃがみこんでいた佐倉が二人を見上げる。
「なに、サクいつになく積極的じゃん!私は構わないよ。仮入って事にしとけば合法だし。ねー、いいですよね治木部長ー」
「俺は全然いいけど。…で、お前は勝手に藤野ちゃんって呼んでるけど藤野さんをなんて呼ぶかだな。雫、決めろ」
はーいと景気良く返事をした雫が立ち上がり、逆側を向いた。
「あの、私別にかぐ……雫さんが言ってたやつで構わないんですけど」
「まあ僕もそうおもんだけどさ。雫、そういうところ自分で決めたがるタイプなんだよね」
「雫に逆らうと、俺にとんでもない制裁が降るんだよ…。サク、お前はないだろ?いいよなー、拳骨制裁がないって……」
何故か突然泣きそうな表情になった治木が佐倉の方を見つめた。
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