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「みんな!新入生連れてきた、しかも女子だよ!」
茶髪がロフトの中に向かって呼びかけると、そのまま藤野を中に入れた。
茶髪に手を引かれるようにしてロフトに入ると、中は藤野が想像していたよりも快適そうな空間が広がっていた。
「あ、ようこそレジャー・旅行研究会へ!
会長ってか……部長の、三年治木諒太(はるきりょうた)です」
ロフトの二階から、部長、治木諒太が手を振った。
「あ、今は全然いないけど本当はもっといるから。幽霊部員的なやつばっかだし。……あれ、ごめん私自己紹介まだだったよね。私、2年の神楽雫(かぐら しずく)。よろしくね!」
そう言って神楽は笑顔を浮かべた。
「私、藤野莉月です。よ、よろしくお願いします…?」
強引に連れてこられたのだがー。
もしかしてここに入部することに決まったのだろうか。
「そう硬くなんなってば!さ、そこに座って。諒太、やれ」
近くにあったソファに藤野を座らせると、神楽は諒太を顎で使った。
「顎で使うんじゃねえよ!仮にも先輩だろうが、敬え年長者を!」
「1歳じゃん、なにが年長者だ。あ、私コーヒー持ってくるね!」
「可愛こぶるな気持ち悪いぞ雫」
言いつつも治木が二階から降りてくるのを確認すると、神楽は奥の部屋に消えていった。
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