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さて、朝っぱらから酷い目にあったのだがそれはもういいとして、俺たちは場所を俺の部屋からリビングへと移していた。
冷たい麦茶を飲む俺の正面にはテーブルの上に直に座っている赤いビキニに緑色のロングヘアーの妖精、シュリンが座っている。そして俺の横にいるのは家の住人ではない人物、よそ者が座っている。
真っ白の髪に褐色の肌、尖った長い耳。綺麗な黄色い瞳は鋭く光を放っていて、美女と言っても過言ではない顔つきをしている。上半身は動物の皮で作った生地をサラシのように胸元に巻いただけ、下半身は横が大きく裂けたタイトスカートのような物を穿いている。
まずはっきりしておかなくてはならない事、それは彼女が人間ではないという事だ。
彼女は魔物。分類で言えば悪魔になる。魔物の中には三つほどジャンルに分かれていて、強い方から順に言えば悪魔、魔人、魔獣といった分け方をするんだ。
とまぁ、こんな説明はいいとして。
「アリメーナ、お前夜中に家に侵入すんのやめろって言ったじゃないか。つか、どうやって侵入してるんだ?」
アリメーナ・スザーニル。魔王直属の部下にして、魔物たちが住む大国の南東エリア管轄を任されている上級悪魔の一人である。
彼女は小さく笑いながら頬を指でかいて、
「魔王様に会いたくて我慢できずに……侵入は合鍵を作ってドアから入りました」
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