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一体いつの間に合鍵なんかを……と呆れを通り越して感心してしまったが、ここでちゃんと言っておかないといけない事がある。
俺は真剣な顔を作り、アリメーナへ向き直る。
「アリメーナ」
「は…はい」
「お前、相変わらずいいおっぱいしてるな。おかげで朝から最高の目覚めだったよ」
〈そうじゃないでしょッ!〉
バンッッ!!!とシュリンがテーブルを叩いた。
そして、テーブルが真っ二つにぶっ壊れた。
間一髪の所でテーブルに乗っていた朝食メニューの皿やコップを魔力で浮かせて被害を減らす事に成功。テーブルを破壊してそのまま床へ転げ落ちたシュリンはアリメーナの顔の前にまで飛んでいき、凄い剣幕で口を開いた。
〈家に来る時は私たちに連絡してっていつも言ってるじゃない!人間にバレたらどーするつもりなの!?〉
「ちゃんと見つからないよう気を付けている。空間転移後は魔力を押し殺し、気配も断って人の目につかないよう慎重に動いてここに来ているぞ」
〈そーゆー事を言ってるんじゃないのー!!ていうかあんた来すぎ!あの日から毎日来てるじゃないのよ!!〉
怒りプンプンなシュリンに実に冷静に応対するアリメーナ。
シュリンが言う"あの日"とは、アリメーナが突然人間の学校を襲撃した日だ。なんとかあの混乱は収拾し平和になったのはいいが、あの日以来アリメーナは毎日俺の家に来るようになったのだ。
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