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「じょ、冗談ですよ?冗談冗談、当たり前じゃないかシュリンがペットなんて俺は思ってないからさ」
〈あんな自然な流れで冗談とか意味わかんないんだけど、意味わかんないんだけどっ、意味わかんないんだけどォ!?〉
「ひぃっ!?いっ行ってきますっ!シュリンは任せたぞアリメーナ!」
「ええっ!?」
拳が唸る前に俺は家から飛び出し、猛ダッシュでマンションから逃げ出した。一応俺の家は魔力で結界を張ってるから外には声や魔力は出ないだろうけど、大丈夫だよな?帰ったらマンションが更地になってたりしないよな?
そんな不安を胸に、魔王でありながらそれを隠す俺、真代 扇(ましろおうぎ)は学校へと続く通学路を駆けていく。
〇
俺は昨日で学んだ事がある。というのも、昨日は酷い目にあったからで、早急に対応しなくてはならないほど厄介な事だからだ。
ちょうど二日前、学校行事である魔法競技祭、通称キョーサイが開かれた訳で、魔法学校ならではの魔法ありきの体育祭みたいな物があったんだが、その次の日からキョーサイに参加した生徒たちのほとんどが俺と同じ目に合っていた。
俺は校門の見える位置にある電柱の影に隠れて様子を窺ってみると、やはり校門の前には複数の生徒たちがいた。彼ら彼女らはスポーツのユニフォームだったりスポーツジャージだったりと様々な服装をし、獲物を狩るハンターのような目をギョロギョロさせている。
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