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それから、五年。
なんとか今日も仕事が終わった。
私は、目の前で開いたエレベーターに滑り込むように乗り、目的地と開閉ボタンを二回ずつ押した。
静かに動き出したエレベーターで、ふっと気を抜いていると、すぐ下の階で止まった。
ドアが開くよりも早く、姿勢を正してボタンの前に立ち直す。
開いたドアから入ってきたのは、男性だった。
視線を落としていたが、革靴の先が見えてぺこりと頭を下げた。そして、その人物を確認しようと顔を上げた。
入って来たのは、男性だった。
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