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いつものように大学に行くと、この日彩は大学に来なかった。 いつもなら連絡をくれるが、この日は何の連絡もなかった。 僕は心配になって、講義の合間の休み時間に彩に電話をした。 電話に出た彩に、今日はどうしたのかと聞くと、彩は突然泣き出してしまった。 何かあったのかと聞いても、彩は今は話したくないと言って、何も教えてくれなかった。 何があったのか不安に思った僕は、困ったことがあったら何でも相談してほしいと彩に伝えて電話を切った。 電話の後、このことを拓也に伝えると、 「ふ~ん、そうなんだ!」 と興味なさそうな返事をした。 昨日は、彩と拓也は講義終了後、一緒にデートをしていたはずだ。 僕は、拓也に昨日の彩の様子を聞いた。 拓也は昨日は講義終了後、彩と食事に行って少しお酒を飲みながら話をし、その後お互いに帰ったと教えてくれた。 特に彩の様子がおかしかったという感じはなかったとも話していた。 彩と拓也の間に何かあったと感じた僕は、拓也を追及しようと思ったが、拓也は決して悪い人間ではない。 だから、僕は拓也を信じて、これ以上追及することはやめた。
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