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「そうかなぁ。実際に告白されてみれば、意外と嬉しいって思うかもしれないよ?それまで全然認識してなかった相手でも、それがきっかけで意識したりすることもあるしね。告白したりされたりすることも、ちゃんと意義のあることだと思うけど」
えー…。
それは、誰も意識してる相手がいなければだけどさ。好きな人がちゃんと別にいる時にはそんなの何にもならないじゃん。
でも、いやに力説するんだなぁ。
「野上くん、告白とかで何かいい思い出でもあるの?」
思わず尋ねてみると、少し苦笑い気味に答えてくれる。
「別にそういうわけでもないけど…。でもさ、自分のこと何とも思ってくれてない人を好きになった時にさ。とにかくこっちから好きって言って、視界に入っていかないと絶対何も始まらないじゃん。ただでさえ向こうにとってこっちは視界の端っこの石っころ
なんだよ。そもそも存在に気づいてもらえないと何も始まらないよ!」
最後は完全に熱弁してた。そうか、セリさんと自分の話してたんだ。途中までちゃんと聞いて損した…。
「や、だからさ。そこまで熱い思いを持ってる人がいるんならそれは否定しないけど」
わたしは話を戻した。目の前でゆっくりポタン、ポタンと一滴ずつコーヒーが落ちてゆく。すっごく、いい香り。
「でもそもそも、周りにそんな感じに恋してる人なんて全然いなそうだもん。女の子の友達だって恋バナしたそうなのに、じゃあ具体的に誰の話しようか?っていうか。クラスの中で誰がいいっていう話には無理やりなるけど、結構次に話す時にはもう違う人になってたりね。そんなん恋じゃないよね?」
「まぁそれはそうだね」
野上くんはなんか楽しそうに笑った。
「男の子は言うまでもなく、だし。ていうか、マンガとかだと、中学生くらいの話の中で男の子と女の子が下の名前で呼び合ったりグループでやたらと仲良しだったりするけど、あれって普通なの?うちの学校がおかしいの?うちのクラスの男の子なんて、あたしたちとほとんど口もきかないよ。それでさ、聞いて。すっごいムカつくことがあるんだけど」
「聞くよ」
もうほとんどマシンガン愚痴。
「電話連絡網ってあるじゃん」
「ああ、今でもあるんだ」
「あるよ。一斉メールとかもあるけど、重要なこととかは両方回ったりするし。うちってお父さんもお母さんもほとんど夜は仕事中だから、家電でも携帯でもあたしが受けて回すのが普通なのね」
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