第1章

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気がつけば、毎日のようにしている喧嘩。 最近の翔太は独占欲の塊で、クラスの男子と少し話しただけで怒鳴ってくる。 でも、翔太だってそう。 いや、私よりひどい。 「せんぱ~い!こんなとこに居たんですね」 急に声がすると、翔太の後ろから女の子が走ってくるのが見えた。 彼女は、1年の松島桜子ちゃん。 翔太と同じバスケ部の女子マネで、小動物系な感じで男子に人気がある。 翔太を狙っているようで、翔太も桜子ちゃんに異常に優しくて、私はイライラしていた。 「桜子、どうしたの?」 うわっ…… 翔太は、さっきまでとはまるで違う猫なで声を出した。 「先輩に会いたくて~。探しちゃいました♪もしかして、お邪魔しちゃいました?」 そう言って、桜子ちゃんはジロリと私を見た。 その表情はまるで何かを自慢しているようで、私の怒りを更に悪化させた。
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