第1章

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〇 何のお店? 都会の片隅のオフィスに、サラリーマンが4人。 今日も企画書は通らない。 安物のスーツはヨレヨレ。 しかし・・・ 彼らの目は死んでいない。 むしろ生き生きとしている。口端に笑みを浮かべPCに向かう者、ガッツポーズをしながらコピーを取っている者。 佐藤課長の席の後ろには、場違いな古めかしいラジカセ。 コピーを取っていた鈴木は嬉しそうに文書を配る。 佐藤課長はおもむろに立ち上がり、 「あー、聞いてくれ。例の放送は鈴木の案でやる」 社員はそれぞれ咳払い、発声練習などをしながら会議室に異動。 会議室の机にはマイク。 そして収録が始まる・・・ それは、ラジオドラマを作るリーマン集団。 放送は毎回、 『歯車でしかない俺らの  歯車にしかできない物語・・・』 で始まる。
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