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私の身体は、冷たく硬い。
私の瞳は、虚ろで暗い。
私の心は霧の向こう側に存在し、ここには無い。
何もかもが混濁し、カオスな状態に還った世界。
混じり合う時間と空間。
生命と非生命。
光と闇。
受容と拒絶。
愛と……絶望。
そんな世界を、私は横たわった体で眺めている。
かつて私に「意識」が存在していた頃、
何かしらの「想い」を発していた事がある。
だが、それは遥か頭上の暗い空間に吸い込まれ、
儚い泡のように消えて行った。
もう、その頃にあった意識が、
何を思っていたのかも解らない。
或いは、全てが幻影だったのか。
私はマネキン。或いは、アンドロイドと呼ばれる者。
いや、かつて人間と呼ばれた事があったかもしれない。
遠い昔。忘れ去られた世界で。
見上げた空、瞳に映る物は無く、
ただ遥かな「無」が広がっている。
誰もいない、捨てられてしまった世界の片隅で、
私は永遠の時の中に身を晒している。
誰にも見つけられる事無く、誰の意識にも触れる事無く。
今日も荒れた大地に、忘却の風が吹く。
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