きっと好きになる

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「――何?」  おっと、いつの間にか葵の横顔を見つめてしまっていたようで、鬱陶しそうに腕を解かれた。 「何でもね。ファミレス寄る?」 「んや、今日は止めとく。ちょっと寄るとこあるし」  そか、と俺は言い、じゃあ途中まで、と学校を後にした。 ――――  ――お前、新しく恋人出来たんだろ?――  正確には、好きな人出来たんだろ? 俺はそう言いたかった。  何か、言っちゃったんだよなぁ……あれから触れてないけれど、つーか、触っちゃ駄目なような――なんで、言ったんだっけ。 「――んじゃな」  あ、もう分岐点か。 通学路の。 「ん。あ、あのさ」  呼び止めたのはいいけれど、俺は何を聞こうとしたんだっけ。
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