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「ブレーン!?いや、その、俺は役所をクビになったんすよ。俺なんて無能です。無理ですよ」
俺は何をまともに受け答えしているのだろうか。譲は動揺していた。しかしその時の彼には自分にそうさせる何かがあった。鷹井 治雄という一個人から熱いパッション(情熱)を感じている自分がいた。
「職場の中で貴方が最も秀れておいでなのは立ち振舞いを見ていれば分かります」
しかし彼の話し方はどこまでも冷静で穏やかだった。
「それはあなたの勝手な思い込みですよ。鷹井さんでしたっけ。あなた一体何者なんですか。あなたのブレーンになって私にどうしろと?清掃の手伝いでもしてほしいのですか」
少しきつく言い過ぎたと譲は感じていた。
彼は譲に少し話をする時間が欲しいと切り出した。
譲は何故か同意していた。
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