住良木の 『仕事』

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 オレは、昨日、隣に越してきた住良木にあこがれてしまった。ハードボイルドな端正な顔立ちと、すばらしく鍛え上げられた肉体。全く隙のないような身のこなし。ハードボイルド小説から出てきたような面持だ。昔は、よく小説を読み、映画やドラマなどを見たものだ。今では、廃れているように思うが。  駅に着き、オレは現実に戻る。切符を買い、改札をくぐっり、ホームに出た。ちょうど着いたばかりの電車に乗った。いつもの時間だ。オレは毎日、この退屈な時間を、ただただ繰り返しているだけだ。
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