住良木の 『過去』

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「よし、任務完了!」  規則なので、ここまで言わなくてはならない。真奈美ちゃんが聞いているかもしれないのだ。 『住良木君、お疲れ様ぁー!』  真奈美ちゃんの声で、アナウンスがあった。たぶん、聞いていたと思う。ボスの真奈美ちゃんは、神出鬼没なのだ。迂闊なことはできない。 「西条、戻るぞ。オレは次の任務だ」  そう、次の任務。西条やその他の者は、基本的にはここに専念してもらっている。しかしオレは、オールマイティーだ。どんな仕事でもやらなくてはならなくなってしまったのだ。 「次は、送迎っすかぁ?」  西条が腑抜けたようん声で言った。 「ああ、そうだ。 送って、また戻ってくる」  オレは少し笑い、そして苦虫を潰したような顔になっているだろう。 「でも、死ぬことはないので、お気楽、でしょうかねぇー」  西条が、物思いに耽るように言った。 「オレは、あっちにいた方があっていたかもしれないな。しかし…」 『カツン、カツン、カツン、カツン』
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