4人が本棚に入れています
本棚に追加
/216ページ
「よし、任務完了!」
規則なので、ここまで言わなくてはならない。真奈美ちゃんが聞いているかもしれないのだ。
『住良木君、お疲れ様ぁー!』
真奈美ちゃんの声で、アナウンスがあった。たぶん、聞いていたと思う。ボスの真奈美ちゃんは、神出鬼没なのだ。迂闊なことはできない。
「西条、戻るぞ。オレは次の任務だ」
そう、次の任務。西条やその他の者は、基本的にはここに専念してもらっている。しかしオレは、オールマイティーだ。どんな仕事でもやらなくてはならなくなってしまったのだ。
「次は、送迎っすかぁ?」
西条が腑抜けたようん声で言った。
「ああ、そうだ。 送って、また戻ってくる」
オレは少し笑い、そして苦虫を潰したような顔になっているだろう。
「でも、死ぬことはないので、お気楽、でしょうかねぇー」
西条が、物思いに耽るように言った。
「オレは、あっちにいた方があっていたかもしれないな。しかし…」
『カツン、カツン、カツン、カツン』
最初のコメントを投稿しよう!