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血迷った男たちは、手に手に得物を持って娘を威嚇する。
得物は、棒であったり刃物であったり様々だが、素手で対応するのは危険だと思われた。
アイバンは、両者の間に割って入り、落ち着かせる。
「騎士の野営地で何を暴れている。
乱暴狼藉を行えば、ただではおかんぞ!」
鎖編みの甲冑の上に、鮮やかな陣羽織を着た騎士の登場で、男たちは冷静さを取り戻した。
「いや、オラたちは、……」
言い訳を始めようとした下男を遮り、アイバンは叱責する。
「娘さんに大勢で手荒な真似をしようとしていたのは明白だ。さっさと引き揚げぬと、斬り捨てるぞ!」
アイバンが、腰の剣に手を伸ばすと、男たちは慌てて逃げ出した。
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