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「……っだぁぁっ!何でこういう時に限ってピロリンは遅れてくるんだよっ!!」
シーマは荒れていた。
今日は久しぶりにお笑いを目指す仲間との話し合いの日。シーマの部屋にモーリンとチョリ夫は既に来ているのに、ピロリンがまだ来ていない。
しかしスマホをいじっていたモーリンが澄ました顔を上げた。
「え、俺んとこ遅れるって連絡きたよ」
「あ、俺も」
自分だけ連絡が来ていない事で、あぁ?!とシーマはブチ切れそうになったが、ギリギリでピロリンが部屋に入ってきた。
「ごめんごめん。次のライブのネタ、考えてきた?」
「考えたけどよー、今度の主催のやつ、妙に意地悪くねぇ?」
「あー、分かる分かるー。コンビニでガリガリくんラスイチ見っけたと思ったらコンポタ味だったぐらい意地悪だよなー」
「お前それ意味わかんねーし」
無駄な会話でゲラゲラ笑う3人に、シーマはまたイライラを募らせた。
「そんな事より!次のライブの話しようぜ!今度のライブのお題に沿ってネタ考えんだろ!?」
「おいピロリン、今度のお題って何?俺知らねー」
「え、モーリン聞いてねえの?この間発表されて、他のヤツらも主催者ドSだろって言ってたよ」
「あー分かる分かるー。うまい棒コンポタ味かと思ってかじったらシュガーラスク味だったぐらいのドSっぷりだよなー」
「お前それさっきより意味わかんねーし」
またもやくだらない話に脱線して、とうとうシーマは叫んだ。
「お前ら!やる気ないなら帰れ!俺は本気で天下取ろうって考えてんだよ!ピロリン!オチを縛られるクソみたいなお題、モーリンに教えてやれ!」
いつものように1人怒り狂うシーマをぼーっと眺めながら、ピロリンはあやとりで遊ぶモーリンにお題のみをポツリと呟いた。
「………『これが全ての始まりだった』」
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