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「俺と結婚してよ、センセイ」
雪村汐里、23歳。
とある高校の英語教師。
人生一大イベントであるプロポーズを、なんと生徒にされてしまった。
目の前の男子生徒は絵筆を器用にくるくると回しながら、考えの読めない笑みを浮かべて私を真っ直ぐに見つめている。
その整った顔に圧倒されながらも、私は冷静に跳ねのけた。
「遠山くん、教師をからかわない」
「だってセンセイ、すげー可愛いからさ」
「またそんなこと言って……」
呆れ顔で深いため息をつくと、ちょっとセンセイ動かないで、と絵筆を向けられた。
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