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二人がじーっと、期待の眼差しをリーチくんに向けてる。
おれもリーチくんがどんな反応をするか興味深々。
「そういう事は、どうしても伝えたくなったときにだけ…。」
「えー。何で?何で?何で?」
リーチくんの腰に抱きついて、顔を覗き込む。
リーチくんはちょっと困って目を逸らした。
「うん……。単純に恥ずかしいから…だね。特別な時にだけしか言えないよ。」
「うわぁぁっ!リーチくん、カッコかわいい!!俺も言おう!『特別な時にだけしか言えないよ。』って。」
ピョンピョン飛び跳ねてはしゃいでる。
友だちは多分、リーチくんが何を言ってもカッコいいって思うんだろうな。
でも、おれもなんかわかる。
いつも堂々と兄ちゃんの事大切だって言ってるのに、恥ずかしそうに照れてるとことか見ると、うわぁぁ!って思う!
「え、ダメだ。何でだよ。好きって言えよ!」
ゴネる兄ちゃん。野暮ちんだなぁ。
「どうしても言葉で伝えたくなればちゃんと言う。それに…何度も言葉にしなくとも、その気持ちが伝わるように朝陽を大切にするから。」
パッと兄ちゃんの顔が輝いた。
「だから、早く部屋に戻って、二人で…勉強続けようか。」
「うう…そういう大切にされ方…。あううう…。」
「朝陽兄ちゃん、あのね!『俺の欲するところ、人に施すんだからね』っていう言葉を教えてもらったから、ちゃんと勉強出来たら、今度は朝陽兄ちゃんがエッチな勉強を教えてあげたらいいよ!」
「おおっ。珍しくオマエいいこと言うなぁ。」
さっきリーチくんが教えてくれたのと、だいぶ違ってる気がするけど、兄ちゃんは納得してる。
こんなじゃ勉強しても全然ダメなんじゃないかなぁ。
兄ちゃんたちは部屋に引っ込んだ。
多分、エッチじゃない勉強を続けるんだろう。
「高校生になったら、俺もいっぱい『エッチな大人の勉強』しよう!」
友だちがソファに乗って、お気に入りの決めポーズをしてる。
おれも横にピョンと飛び乗った。でも、おかあさんに見つかったら叱られるから、ちょっとキョロキョロしてしまった。
「じゃ、おれは高校生になる前に、可愛い子といっぱいデートするー。」
「えーっ。じゃあ、俺は超可愛い子とデートとチュウする!」
「えーとそれじゃあ、おれは超可愛い子とちょっと可愛い子といっぱいデートとチュウする。」
「ふーん。じゃ、俺は超超大好きな子としか、チュウもデートもエッチな事もしなーい!」
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