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「ええ~。何それ!!」
「好きな子にね『オマエ以外の他の誰ともエッチなことをする気はないんダゼ!』って言うの。俺カッコいい!」
「何それ!どこがカッコいいんだよ。」
なんて言ったけど、本当はちょっとカッコいいかもって思った。
でも、ただリーチくんの真似してるだけだよな。
うん。カッコいいのはコヤちゃんじゃなくって、リーチくんだ。
◇
オレはうるさいガキンチョ連中の騒音を遮るように自室のドアを閉めた。
もちろん、密室で愛しい恋人と二人きり……となれば、やる事は一つ。
…………。
うん。試験勉強だよな。
はぁ。
毎度毎度思い知らされる。
リーチは、超真面目だ。
隣でノートに向かうリーチをちらりと見る。
勉強終わりに、じゃあ、大人なお勉強を始めようか…なんて冗談言ってもスパッと拒否られそうだ。
でも、ま、いつもよりちょっと濃厚なキスくらいは……。
オレが止まらなくなりそうだからダメとか言うんだろうな。
チラチラと何度も見ていたら、リーチが何かを考えるようにキョロっと目を動かした。
「朝陽、勉強をするつもりだったのに、その前に急に本を読み始めたり、部屋を片付け始めたりしてしまうって話、よく聞くだろう?」
「ああ!あるある。」
「現実逃避みたいなものだけど、やり方次第では勉強へ集中力を高める効果も期待出来るんだ。勉強をした自分への報酬として、勉強が終わって本を読むより、勉強前にここまでと決めて本を読んだ方が、勉強効率は上がるらしい。」
「へぇー。んじゃ、今度から勉強前に思いっきりマンガ読も。あ、ちゃんと止めどきを決めなきゃいけないのか。」
オレの言葉にリーチがニコッと微笑んだ。
「そう。勉強前だから、ここまで。そう決めるのが大切。」
リーチの爽やか笑顔がオレに近づいてきた。
え?
……あれ?
近づいて……ちゅ…チュ…ちゅちゅ……。
え?ええ!?
リーチからキス!?
しかも。
う、うわ。ギュって抱きしめられた。
「もっとしたいけど、ここまで。」
「リーチ??え、もっと、したいの?」
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