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「ああ…問題無いさ。元々亜美ちゃんと黒川には同じく此処に属して貰うつもりだ」
「はぁ?本気でおれ達もバグを殺すってぇのかよ!?」
「違うよ山田。昨日お前が言っていた通り、二人に謝って人間の殺戮は止めるようにするんだ。二人を巧く懐柔出来るとしても、他のバグはどうか分からないだろう?だからその後の処理は僕達で行う。どうだろう?筋は通っているだろう?」
「…そうだけどよ…。そう、巧くいくかぁ?それこそ黒川宅の中まで同行して来たらどうするよ?」
「その時は仕方ないね。バグとして彼等を殺すしかない。その後僕達がこの会社を引き継げばいい」
「な、お前っ無茶苦茶言ってるぞ!?」
「ははは…冗談だよ、冗談。そうならないよう何とかするさ…」
「(冗談言ってる顔かよ…)」
「何か言った?」
「なんでもねぇよ…。まっ!なるようになるだろ!何にしてももう黒川宅に行くしかねぇんだからな」
「うん。…君の失言のせいでね」
「ばっ…しょうがねぇだろ!?こっちは死に掛けた後なんだから色々混乱しててよ…。それより、あれって誠に正夢だったのか?もしかして実際起こった事じゃ…」
「おや!足音が聞こえる。どうやらお戻りのようだ」
山田の質問を切り上げるとコオロギが入ってきた。何やら嬉しそうに微笑んでいる。
「全員同行する事に決まったわ」
「ぜ、全員ですか?あれ、でも泰三さんや北村さんは見張りをしないといけないのでは…?」
「ああ…あれね、あれは彼等の趣味よ。別に見張りなんて必要ないの。バグは視界に入った人間は殺したりするけれど、わざわざ家に上がりこんだりはしないの。ほら、隣のコンビニも普通に営業していたでしょう?」
なるほど。確かに山田がそれに類する事を言っていたな…。
「趣味…ですか。でも佐藤さんは?社長が会社に居なくても良いのですか?」
「問題無いわ。電話があればわたしのケータイに転送するように切り替えたから。それに、外に出て困っている人が居たら助けて一儲け出来る。がはは。と寧ろ喜んでいたくらいよ」
何て事だっ。全員か。いや、しかし、もし途中にバグと遭遇すればある程度削れる余地はあるな…。出来るだけ遠回りして向かうとしよう。
「それは心強いですね。な、山田」
そう山田に作り笑い掛けた。
「そうだなっ」
と、視線を逸らす。また笑顔がおかしかったのか?それとも別の考えでもあるのか?山田よ。
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