二幕 ⑤救出大作戦

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 「ちけーはやはり失敗したか」  袁術は俄かに騒ぎ始めた洛陽の一区画、蹇碩の邸宅にいながら、その情報を掴む。  「ならなんで任せたよ」  呆れたように言う丁布の傍には、既に紀霊、張勲もいた。  「あれに捕らえられるなら、それまでの奴よ。さて、お主の主はどう動くかの?」  袁術の視線の先には、口を半開きにした唐周が転がっている。  片腕を切断されていたが、止血処置は既に終わっており、意識も戻っていた。  (ゲンギ様。ダメです。ダメ。もう私は捨て置いて下さい)  袁術を強い眼で睨みながら、唐周はそう念じることしかできなかった。
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