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(―――さて)
馬元義は裏路地に身を隠しながら思案する。
(馬芳、梁宇、―――唐周)
彼らは、みな、生かされているだろうか。
(それはないな)
生かしておく理由がない。
生きていたとしても一人だろう。ではその一人は誰か。
(………オレはバカか)
それが唐周であればいいなどと、一瞬でも思ってしまったことが、許せなかった。
頭を振る。
今は自分を責めている暇はない。
仲間が生きている可能性があるのなら、助けに行かない道理はない。
ただの仕事仲間ではない。家族なのだ。
馬元義は通りを伺いながら、救出への算段を見いだそうとした。
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