幕間 その四 死国志演義

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佐久彦「にしても、魔術をココが使えるだなんて聞いてねえぞ? どうなってんだ?」 イリア「………ぐすん。えっとね、それはね。私の世界では魔術っていうのは誰でも使えるものなの。一般の人でも、コツさえ覚えちゃえば急に使えるようになるほどきっかけさえあればいけちゃうの。で、ね。こっちの世界ではそんな設定がなかったかもしれないけど、前回使った魔術に関しては私の世界の力でしょ? だから、私の世界の設定の方があなたの世界の設定を侵食しちゃってる、って構図になっちゃって」 麻奇 「長い。三行で」 イリア「え!? えと、ほっとくと、この世界で、魔術師が生まれる」 麻奇 「死後の世界だけじゃなくか?」 イリア「魔術の中には生と死の境界を超えるものもあるわ。それ相応の代償も支払うけれど。それに、魔術の発現はその人の性質に大きく関係しているから、どんな力が発現するかなんて私にもわからないのよ。『処刑器具を召喚して処刑を執行する』なんて魔術、私の世界にはないし。たぶん、この世界の殺伐とした感じのせいかしら。力も致死率の高そうなものばかりかも」 麻奇 「ふむ。おい作者」 佐久彦「へ?」 麻奇 「お前のさっきの【作者特権】とかって奴で、魔術は封印できるのな?」 佐久彦「うん」 麻奇 「なら話は簡単だ。魔術を発現してる奴をとっ捕まえて、【作者特権】で封印すればいい」 イリア「それがいいわね。そうと決まれば出発よ。さあ、行くわよ」 翠蓮 「………私たちの戦いは、始まったばかりです!」
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