第1章

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まだ注文さえも聞きに来てない、 もちろん、乾杯さえもしてない、 自己紹介さえもしていない状況だったけれども… 緊張しているのだろうと予測した私は、 やんわりと言いました。 「私もタバコ吸っていたのです。 やめたら沢山の良い事が有りました。 でも…1つだけ嫌な事が有りました。 10㎏体重が増えたのだけが…」 話の途中… ホープ君は私の体の隅々を舐め回すように眺め… 最後に視線は、下腹部で止まりました。 「そんなに、腹出てるんかぁ~!」 次は、私に向かって言葉を吐きました。 ありがとうございます。 太って見えないよ!と、 伝えようとして下さったのですよね…。 と、思ってあげたかったのですけれども、 私もまだまだ人間が出来ておりません。 心の中でテーブルをガシャーンと、ひっくり返してしまいました。 今思えば、なぜこの時に帰る勇気が無かったのだろうか…。 この事件がきっかけで、 私は…私は… お見合いがトラウマとなってしまったのに…。
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