第1章

5/6
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
帰る勇気が無かった私は、 仲介者の言葉を反復しました。 仲介者は私に言いました。 身長170㎝位、顔は普通。 この日はお見合い! 珍しく控え目な洋服を着ていた私は、 それに合うように低めのパンプスを履いていた。 待ち合わせ場所の側にあったビデオショップ! ガラスのショーウインドウには、同じ身長の二人が写っていた。 私の身長170㎝もあったっけ!? ?!(・◇・;) ? そして、ホープ君は見事な角刈りだった! それも数本、長い毛がはみ出ている見事な角刈りだった! 余りの衝撃的な角刈りのせいで、 四角過ぎる頭しか記憶に残っていない私…。 仲介者は私に言いました。 歳は47歳! しかし、ホープ君は49歳でした。 仲介者は私に言いました。 仕事は公務員! しかしホープ君は、数ヶ月前からリハビリの助手をしてると言いました。 どんな事をなさっているか伺うと、 リハビリ用の機械を出したり、なおしたり…。 それより前のお仕事を伺うと… 色々な職業の名前が出てきて、 得意気に今までの仕事のお話をしてくれました。 ホープ君はこの時49歳! 今は多分53歳! そう!偶然にも寅年(笑) 沢山の夢を叶えたみたいですね。 仲介者は私に言いました。 持ち家だと! ホープ君は、中型犬までを飼う事が出来るマンションに、長く1人で住んでいたそうです。 犬を飼うのが夢だったホープ君は、 とうとう念願の夢が叶い、 40歳の時に、ゴールデンレトリバーと言うワンちゃんを飼い出したそうです。 1月1日生まれのワンちゃんの名は… 【ラッキー】 しかし…悲劇は起きた!! 「誰が見たって大型犬じゃ無いの!」と、 大家さんの娘がチクったが為に、 ホープ君は、マンションを追い出され、 慌てて今の借家を見付けたそうだ。 その話を思い出してしまったホープ君は、 今も大家さんの娘を恨んでいるようだった。 ホープ君、アンラッキーだったね! 仲介者は私に言いました。 とても誠実な真面目そうな男性だと! たった数時間の間に、 彼の口から何度聞いただろうか!? 誠実で真面目なホープ君の口癖は… 「めんどくさい」 そして… 最後に彼は言いました。 「俺にばかり話をさせて!」 ごめんなさいホープ君(涙) 質問に答えるのも、めんどくさかったのですね!
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!