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それにしても、彼女はよく表情を出すのだな。嬉しければ笑い、悲しければ泣く。我は何故かその表情に好意の用な物を向けている。
彼女は涙を拭うと、さっきの話しの続きをした。
「月見さんに恩返しがしたいの、だから一緒に来てもらえますか?」
「うむ、我もお主を知りたくなってきたところだ、これからよろしく頼むぞ」
彼女はニッコリと笑いながら「はい!!」っと返事をした。
彼女の家は山を降りて数分歩いた場所に合った。平屋で風情のある家だった
「あまり綺麗じゃないけど、ようこそ、私の家へ」
「ふむ、風情があって良いの、なかなか好きな家だ」
奥に進んでいくと、なんの飾りもない部屋がポツンとあった
「そこは前まで私の両親が住んでいたところです。今はもう居ませんが・・・」
「死んでしまわれたのか?」
その言葉に頷く雫、話しを聞くと何年も前に両親は交通事故で亡くなってしまったそうだ。その事故は悲しくガソリンに引火し爆発、両親の遺体は丸焦げだったそうだ。
その話をした雫は泣かずに耐えていた、遠くを見るような顔をしていた。
「悲しくはないのか?」
「辛いし悲しいけど、お母さんが言ってたの。もし私が死んでも貴方は泣かないで強い子になってって、だから私は泣かないように頑張ってるの」
「そうか・・・・そうだったのか」
「でも、もう何回も泣いちゃったけどね」
彼女はまたニッコリと笑う、しかしなんだか悲しそうな表情も感じさせる。
我は少し自重しなければならんな、さっきから彼女の辛い事ばっかり話させている。まったく我は・・・
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