「小さな願い」

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 もっと惨めな思いをすればいいのに。  もっと傷ついて、立ち直れないくらい打ちのめされればいいのに。  そしたらきっと君は僕に慰めてもらいに来るんだろう?  どうしようもない君のこと全部受け入れて、何があっても君の味方でいるのは僕だけだってこと、僕たちはずっと一緒にいなきゃいけないこと、君にわからせなきゃ。  この願いは正しくないってわかってる、でも。  永遠に僕の恋人にならないのならせめて。  君が周りの人間全員から見放されて辛くて寂しい思いをして苦しんでいるところに、そっと手を伸ばしたい。  君がもっともっと立ち直れないくらい不幸になってしまえばいいのに。  そんな想像を何度も繰り返してる。
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