第1章

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ある日、それは突然の事だった。 植物状態であった彼の父親が、奇跡的に目を覚ましたのだった。 母親は泣いて喜び、当然彼も泣いて喜んだ。 しかし、日に日に健常になっていく父親に、今まで自分に執着していた母親の心が奪われていることに気付いた。 彼はそれを面白く思わず、何とかして母親の心を再度自分に向けたかった。 父親がすっかり回復し、家庭に戻ってから数十日が経ったころ、彼は例の神社へ父親と二人でジョギングに出かけた。 彼は父親に例の御神木を紹介し、いつも鬱憤を放っている部分の真裏に父親が立ち止まるよう指示した。 不思議に思いつつも息子の指示に従い、御神木の前で父親が立ち止った時、彼は御神木に鬱憤を放った。 渾身の右ストレート、左ストレート、そして止めの右膝。 それらを間髪入れずに行い、今まで長い間彼の鬱憤を受け止めていた御神木は、ついに限界を迎えた。 木の葉の揺れる音、その身が大きく軋む音と共に、大木は反対側の父親の上に倒れた。 古木であったこと、また、人が殴り倒したなどとは想像もつかない警察は、この一件を事故として処理した。 彼の家庭は再び父親を失い、彼は母親を取り戻したのだった。 --- タイム:37分17秒 一言: 今の所一番楽しく書けた。 清楚!忍耐!意思の逆位置!ってことで漫画的生徒会長が浮かんだのは2分もかかってないと思う。 援助者の頑丈と、敵対者の復活ってので悩んだ。 頑丈ってNo1でも出たけど、頑固な人柄とかじゃなく、頑丈(物理)しか思い浮かばねぇ。 もし次に頑丈って出たら違うタイプ考えます。
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