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毎週火曜日には、店の前を通る度に、ガラス戸の向こうの店内に航くんの姿がないか探してしまう。
今日は誰もいないのかな。月曜日じゃないのに人の気配がなくて、思わず覗き込んでいると、ふいに肩を叩かれた。
「なにしてんの」
驚いて振り返ると、目の前に航くんがいた。
「……航くんこそ、なにしてんの」
「留守番してたんだけど、今お客さん居ないからちょっとコンビニ行ってきた」
今日暑いねってTシャツの首元を扇ぐ、その仕草を見ていると、ふいにその手が僕の頭に伸びた。
「汗びっしょりだなあ。髪洗ってやるから来な」
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