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「すみません、頂きます。」
『三谷くん、おおきくなったのね。』
「あ…もう28になりますから…。」
『そうね…。お線香あげに来てくれるって言うもんだから、結依の部屋から中学の卒業アルバム取り出してきて見たのよ。
こんなに立派になって…。』
「…ありがとうございます。」
安城のお母さんはきっと安城が生きていたら俺と同じ歳なのだと心の中で呟いていたに違いない。
『あのこったら私たちより先に天国へ行ってしまうんだから…。
せっかちな子だったけれど、そんなところまでせっかちになること無かったのに…。』
安城のお母さんの目にはうっすらと涙が溜まっていた。
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