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『ありがとう…。主人にはそんなに泣いても何も変わらないだろうっていつも言われて…。
もう泣いてはいけない、泣いてはいけないって自分に言い聞かせてきたの。
だけど…私にとってあの子はたった一人の大切な娘だったのよ……!』
よほど苦しかったのだろう…
きっとこの人は娘を想わない日は1日だってないのだ。
それはご主人、安城のお父さんだって同じだろう。
だけど泣き続けても安城は還ってこない、それもまた事実であって気持ちの整理などつけられるものではないのだ。
だからなるべく明るく振る舞ってみたり、気にしないフリをしてみたりと、そう生きていくしか方法が見出だせないのだろう。
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