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『………てとこなんだけど、三谷くん?聞いてる?』
「えっ?あ…あぁ、ごめん、何?」
『もう!だから健太の住んでるとこだってば!そこのマンションの708号室だよ!』
そこのマンション…
ってすぐそこじゃねーか!!
「なんだよ!だったら自分で行きゃいいだろ?」
俺はため息混じりに手を額に当てた。
『だって…あたしはそこから先には……。』
悲しそうな顔をして答えた。
よく見るとそのマンションはもうひとつ向こうの交差点の先にあった。
「あ…そうか、ごめん。」
安城はいつもあそこを通ると消えてしまうのだ。
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